「グラン・トリノ」を見ました。タイトルに使われているグラン・トリノとは72年から76年にかけて生産されたフォード・トリノのヴィンテージ・モデルの事。
朝鮮戦争の英雄にして、フォード社を定年まで勤めあげたウォルト・コワルスキー(クリント・イーストウッド)…。
長年連れ添った妻に先立たれ、今や彼が守るべきものは愛車グラン・トリノだけになってしまった。
かつては自動車産業で栄えた街も今ではすっかりさびれ、近隣の住人は黒人やアジア系のカラーズばかり、道行く車はトヨタやホンダなどの日本車が幅を利かせている。
この現代アメリカの縮図ともいえる街に暮らすウォルトはガチガチの保守派のまさにアメリカの象徴…。
あまりの偏屈ぶりに実の息子やその家族からも疎んじられているウォルトと隣に越してきた東南アジアの山岳民族モン族の姉弟スーとタオとの交流を描いたヒューマンドラマ。
大嫌いなカラーズであるはずのスーとタオとの友情は、いつしか頑ななウォルトの心に潤いを与えていくようになります。
静かな感動で心が揺さぶられる名作でした。
この作品のキャッチコピーは「映画史上、最も優しい衝撃のラスト…」なるほど、そういうことかと思わせるラストの展開が胸を打ちます。
なにしろ、このストーリー展開ですし、主人公は老いたりとはいえ元ハリー・キャラハンですからねぇ。
しかも中盤、やはりモン族のチンピラ1人をウォルトがボコボコにするシーンもあり、誰だってラストはもう1つの選択肢を期待すると思うんですよね。

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