1970年から物語がスタートし1978年にミルク氏が暗殺されるまでの8年間を描いており、恋人スコットとの出会いと別れ、政治への傾倒、そして新しい恋人の自殺などの濃厚なドラマが凝縮されています。
ミルク氏が念願のサンフランシスコ市政委員に当選したのが1978年。
つまり彼の政治家としての活動は1年もなかった訳なのですが、その間彼の起こしたゲイ開放のムーブメントはサンフランシスコを起点にアメリカ中に広がっていきます。
この作品はこれらの様子を非常に分かりやすく描いていたと思います。
ミルク氏を政治の世界に傾倒させたのは差別への怒りだったのは明らかですが、カリフォルニア州議員によって起案された条例6号の正否を巡るくだりはまさにその怒りを象徴するエピソード…。
条例6号とはゲイの教師を公職から追放するという、今にして思えば人権侵害もはなはだしいナンセンスな条例ですが、この条例の正否を巡っての駆け引きはなかなかスリリングでしたね。
この「ミルク」という作品は幾多ある偉人映画のルーティンを非常に忠実になぞった作風で、ラストではこの作品に登場する人々のその後が本人の顔写真と共に紹介されます。
そしてハーヴィー・ミルクを演じたショーン・ペンはアカデミー主演男優賞受賞も納得の熱演でした。

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